スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

この物語はフィクションです28

5月21日


旅先にて、心を決める。
約4年ぶりに会う友人に会ってきた。
幸か不幸か・・・
友人の方も私とかなり似通った悩みを抱えていたらしい。
我々はドライブがてら、観光地や名所を見て回り、
その間存分にくつろぎながら、互いの悩みについて、
普段とは違った気負わない心持ちで話し合うことができた。

そうだ。
私たちは、たしかに過ちを犯していた。


たとえば、私がしようと試みたことは、間違っていない。
間違っている部分があるとすれば、それは私自身なのだ。
だから・・・偽りの恋人だなどと、そんな馬鹿なことはやめるべきだ。
はじめから手を出さなければ良かった、というわけではないが。
旅の最中に彼女から来たメールの内容を考えても、
これまでの私の試みが良い方向に進んだとは言えない。


到底言えない。


そしてその間に、私がますます彼女を嫌いになったのは間違いない。
「恋人扱いしてよ、こんなに大事にしてるんだから」
「頑張ってないことで褒められたら嬉しいに決まってる」
「いろんなことしてもらってるから、こっちもしてあげなきゃ悪いよ」
「人生は運と巡り合わせ!これだけだって」
「努力なんて出来ればしない方がいいに決まってる」
「旅行楽しんでる? こっちは暇だよ~」

もう、もう駄目だ。
我慢できん!

すべての人間関係にギブアンドテイクを持ち込み、
しかもそれを他人に押し付けるなど・・・・
その価値観の違いを我慢することがどういうことか、
我慢するとしたら何のために我慢すべきなのか、
友人と話すうちに、私は自分がしてきたことの間違いに気付いた。

「・・・・・ハァ? なにそいつ? ムカツクんだけど」
「やっぱり、そう思う・・・?」
「うん、それありえないわ・・・」
「冷静に考えてみたら、そうかも・・・」
「うん、ていうかソイツほんとに三十路・・・? 薄すぎ」
「とりあえず、我慢とかして適度に指摘すれば直ると思ってたからこそ我慢したんだけどさ」

そう、その試み自体は間違っていない。

「ていうかさ、悪いけど・・・そいつ、もうやめたほうがいいよ」
「もう、やめたほうがいいか・・・」
「あんたがそこまで頑張ってるのに、負担は重くなるばっかりじゃん」
「正直そろそろきついね・・・」
「それにさ、ムカツクこと言われて・・・あんたばっかり我慢するのはおかしいよ」
「うん・・・・」
「それにさ、もうあんた・・・彼女嫌いでしょ」
「・・・・・・・・・・。」

試みを重ねるうちに我慢の限界が来た。
そういうことだ。
彼女の不快な発言は多く、実はかなり閉口していた。
「押し付けるつもりは無いけど」とか、
「あくまでも私の意見だけど」だとか、
「常に正しいっていうわけじゃないけど」などと防衛線を張っておきながら、
しっかり相手に自分の考えを押し付けるやり方に我慢がならなかった。

そういう姿勢は、旅の最中に送られてきたメールからもひしひしと感じた。
(そっちの都合はわかってるんだけど、恋人なんだからメールぐらいちょうだい)
(そっちが楽しんでるのに、暇な私のことは構ってくれないの?)

そんな態度が透けて見えるようなメールが何通も届いた。
私は途中まで返信をしていたが、我慢しきれずに無視した。

馬鹿馬鹿しい。

遠く離れて、冷静になってみて初めてわかる事実。

「もう一回、チャンスをちょうだい」
「・・・・いいよ、どうぞ」

チャンスを無駄にしたのは、私ではない。
気がついてみれば・・・なんだ、今のこのザマは!
駄目なものに目をつぶってしがみついているだけじゃないか。

もうやめよう。
先方には、その気がない、あるいはなかったのだ。
それに、もはや少しも好いていない相手にこんなことをすべきでない。
私は好きでもない相手にこんなことをすべきでない。

彼女は、ただ・・・
喉は渇いているが、井戸を掘る気が無い。
それはもう、私にはどうしようもないことだ。

乾いた砂漠が、私をも乾かすことは二度とない。
それは私がどんな砂漠にも絶望せずに耐えられるからだ。
自分が自分の絶望に耐えられないだけのことで、
愛してもいない砂漠に水をやるのは、もうやめた。

さようなら、偽りの恋人よ。

心は離れたんだ。
スポンサーサイト

コメント

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL

http://quicksand.blog28.fc2.com/tb.php/407-502a4757
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。