スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

この物語はフィクションです10

3月16日


仕事のことで、悩む。
仕事はうまくいっているのだが、気になることがある。
商品の品質維持を完璧に近付ける方法について。
商品の品質を常に同じにするのだ。
情けないことに、それはほぼ手詰まりと言って良い。
袋小路のど真ん中にいるような気分だ。

完璧に。

文字通りの完璧など無理だということは、十分承知している。
現に、私が目指そうとしている身近な仕事人の中にも、完璧な仕事をする人はいない。
その理念や人間性がいかに尊敬できるものであっても、仕事は完璧とはいかない。
そのことで、少し部下とも話をしてみたのだが・・・
完璧というもの自体が実現不可能であるし、人の手になる仕事である以上、
必ずしもそうあるべきではないだろう、との答が返ってきた。

承服しかねる。

間違いとも言えないのだが・・・
「完璧にならなくてよい」から「しなくてもいい」のか、
それとも「完璧が無理」だから「しなくてもいい」のか。
部下の返答は、前者であったものさえいつのまにか後者になってしまう、
そんな危険を孕んではいないか?
・・・まやかしは御免だな、却下しよう。

したまではいいが。

これではますます袋小路が狭くなる。
品質を常に同じにするための努力をするかしないか、
どちらにしても、たしかな動機を見つけられないままになってしまう。
いや、ただ「そうしたいから」という動機だって悪くはなかろう。

完璧にしたい、ただそれだけのこと。


・・・となると、また堂々巡りか。
つまり、手詰まり。
有効な手段が見付からない。
私が行動を起こせずにいるのはそのためだ。
いまのところ、ほぼ確実に無効であろう手段しか考えつかない。
正直言って、そろそろ疲れてきた。

私は一旦考え事を諦め、テレビの電源を入れた。


画面には、ひとりの仕事人が映っていた。

私と似たような仕事、己の手になるものを作る人。
彼は芸能人だったはずだが・・・経緯はよく知らない。
それよりも。


完璧に同じになるまでやるんだ、と彼は言った。

この目で見紛うはずがない。
あれは本気だ、本気でしかない。
しかも自分が何をしているのか、わかった上で。

私は彼の言葉と表情に、強い衝撃を受けた。
・・・そうか、あれだ。

私は心を決めた。

ふと気付けば、番組はCMに切り替わっていた。
バックには聞き覚えのある歌。



フーバスタンクの「ジャスト・ワン」が流れていた。
スポンサーサイト

コメント

デビっすか?

正解
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL

http://quicksand.blog28.fc2.com/tb.php/356-79e77c6c
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。